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「積立」投資の本質! 資本主義とドル・コスト平均法

「積立」投資の本質! 資本主義とドル・コスト平均法

前回は「長期」「積立」「分散」のうち、「長期」にスポットを当てました。

前回の記事
「長期」投資のメリット



今回は「積立」についてご説明します。
目先の価格に一喜一憂することなく、資本主義の成長を信じるという視点を絡め、
むしろ今日の下落を喜ぼう!という「積立」の本質に迫ります。

「積立」の定義

ここでは、「積立」を以下のように定義します。

「相場の乱高下に関わらず、株式、投資信託などの金融商品を毎月一定額購入すること」

「相場の乱高下に関わらず」
「毎月一定額購入」
ここがキーポイントです。

「一定量」ではなく「一定額」なのがポイントですね。

「相場が下落したら買うのをやめる」
これでは積み立てのメリットが半減してしまいます。

「月によって買ったり買わなかったりする」
これも同じく積み立てのメリットが半減します。


なお、「長期」と言った場合には、最初に金額を入れてその後は追加で投資をしないというパターンも考えられます。
他方で、「積立」という文言には、当然「長期」でという意味合いが含まれているため、
ここでも「積立」は当然に「長期」であるという前提で話を進めます。

ドル・コスト平均法とは?

ドル・コスト平均法、投資について調べると必ず出てくる言葉の一つです。
では、ドル・コスト平均法とはどんなものなのか?というと・・・

ドル・コスト平均法
一定額を定期的に購入すること

「一定額を」
「定期的に購入」

上掲した「積立」の定義
「相場の乱高下に関わらず、株式、投資信託などの金融商品を毎月一定額購入すること」
そのままドル・コスト平均法の定義ですね。


ドル・コスト平均法の結果
値段が高いときは少量購入となり、値段が低いときには大量購入になる

これも上掲した「一定量」ではなく「一定額」という点から必然となります。

ドル・コスト平均法のメリデメ?

検索するとドル・コスト平均法のメリデメはたくさん出てくるのですが、
ネットに溢れているドル・コスト平均法のメリデメはポジショントークが多いですね。
皮肉なことに、特に検索順位が高いものほど、ポジショントークが多いです。
使われている数字も、ドル・コスト平均法に都合のいい数字ばかり。

ここでは、上記の表を基礎に、一つ一つ検証していきます。

まず確認したいことは、全てのパターンで下記2条件を満たしていることです。
・毎月の購入金額が100,000円であること
・総購入額が1,200,000円となっていること
つまりどのパターンであったとしても、投資金額は一定だということです。

次に、各パターン全てで、1月の購入価格と12月の購入価格は1,000円だということ。
その間の価格推移の相違によって一度当たりの購入数が変わり、
結果として総購入個数と平均購入単価が各パターンで異なっています。

ドル・コスト平均法での購入を推奨したい人は、当然パターン①を提示します。
理由は簡単で、平均購入単価が抑えられているからです。
逆に、ドル・コスト平均法を否定したい人は、当然パターン④を提示します。
理由は簡単で、平均購入単価が高いからです。

ドル・コスト平均法と資本主義

仮定の価格では、いくらでも都合よく数字遊びができます。
ところが、現実の相場はそうはいかない魑魅魍魎の世界です。
明日の株価、1年後の株価、10年後の株価がどうなっているのか?
正確に知っている人は、世の中に誰一人いません。

1ヶ月で株価が30%下落したとき、あなたは動かずにいれますか?
平静を保ち冷静な脳で投資を継続することができますか?
人間は弱いので、下落局面に立ち会うと、大半の人が右往左往します。

何が起こるかわからないからこそ、
一度で購入価格を固定させる一括購入よりも、
価格を平準化できるドル・コスト平均法での購入が推奨されています。

もちろん、価格上昇局面では、最初に全額購入したほうが購入価格を抑えられます。

ドル・コスト平均法は、価格上昇局面でのデメリットより、
「何が起こるかわからない」という側面が強調されつつ、
経済は成長し続けるという資本主義神話の下で成り立っている側面があります。

以前書いた通り、「長期」「積立」「分散」投資そのものが、経済の成長を前提にしているからです。
矛盾を抱えながらリスクは避ける。
実に人間らしいですね。

大切なのは「購入時の価格」と「売却時の価格」

ご存知の通り、相場は乱高下するものです。
積立投資で投資をしている場合、購入している金融商品の値段が下落したら嬉しいですか?
たとえば、30年で積み立てようと考えている3年目、
定期購入している金融商品の値段が下落したら嬉しいですか?

大半の人はNo!というはずです。
実際、弊社が実施したアンケート結果(2020年7月実施/n=2645)によると・・・
「30年で積立投資する3年目、株価が上がるより下がったほうが嬉しい」
という質問に対して、「まぁあてはまる」「あてはまる」と回答した人は13.9%しかいません。

ここで神様ウォーレン・バフェットのたとえ話を一つ。

毎日ハンバーガーを食べるという前提で・・・
 -今日ハンバーガーの値段が下がったら嬉しいですか?
 -今日ハンバーガーの値段が上がったら嬉しいですか?
積立は長期なので、金額が下がるのは嬉しいことと捉えることもできるのです。


大切なのは・・・

「明日の価格ではなく、自分が買うときの価格と売るときの価格」

なんですね。

「買うときに安い」
「売るときに高い」

なので、目先の価格に一喜一憂することなく、むしろ下落を喜ぶ。

当たり前ですが、忘れがちな大切なことですね。

そういった視点で投資と向き合ってみてはいかがでしょうか?

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