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現預金残高に気を配ろう④ 将来のキャッシュ・フロー

現預金残高に気を配ろう④ 将来のキャッシュ・フロー

突然ですが…質問です。

●1ヶ月前の現預金残高を答えることができますか?
●今日の現預金残高を答えることができますか?
●1ヶ月後の現預金残高を答えることができますか?
●半年後の現預金残高を答えることができますか?

いかがでしょうか?
下にいけばいくほど、難易度は上昇します。

●過去の現預金残高
●今日付けの現預金残高
この2つは、B/Sだったりキャッシュ・フロー計算書をみれば解決します。
更にいってしまえば、通帳をみればわかります。

ところが、下の2つは、過去の資料を漁っても答えは出ません。
●1ヶ月後の現預金残高
●半年後の現預金残高
過去の現預金推移とその内容も大切ですが、
もっと大切なのは将来の現預金です。

資金繰り表をつくっていない企業は多々ありますが、
お金に余裕がある会社であってもそれは危険です。

1 なぜキャッシュが大切なのか?
2 過去のキャッシュをどう把握するのか?
いままでこういったことをお話してきましたが、
今日はいよいよ将来のキャッシュ・フローについてお話します。

資金繰りこそ中小企業の命綱

中小企業は大企業と異なり、いざというときに誰も助けてくれません。
窮地に陥った途端に、バタバタと梯子が外れていきます。
経営者がどれだけ人格者であっても、誰も助けてくれません。
「助けたいと思われる」と「助けてもらえる」の間には、
とてつもなく大きく深い溝が存在します。

中小企業にとってのゲームオーバーは、赤字ではなく資金の枯渇です。
「資金の枯渇=倒産」だからです。

どれだけ素晴らしいアイデアがあっても、
どれだけ素晴らしい人財が揃っていても、
どれだけ立派なMissionを掲げていても、
お金がないと会社を継続できません。

M&Aしてもらうことはできても、お金がなければ経営はできません。

資金繰り表の内訳

それでは、さっそく資金繰り表をみてみましょう。
まずは資金の流入・支出をを経常収支と財務収支の2つに分類します。
ある収支が経常収支なのか財務収支なのかを見極めましょう。

慣れるまでは、お金の貸し借り以外は経常収支に分類してもいいですね。

資金繰り表作成のポイントは、現金主義で考えることです。
売上/仕入を基準にするのではなく、入出金を基準に考えます。

●現金売上入金
●売掛金(手形)入金
●その他の入金
と、経常収入を大きく区別します。
収入に関しては、どの会社も大きくこの程度の区分で問題ないはずです。

次に支出です。
●人件費
●社会保険
●現金仕入
●買掛金(手形)支払
●税金支払
●利息支払
などは、ほぼ全ての会社で発生する支出ですね。
これらを経常支出に区分します。

経常収入と経常支出を足してあげると、経常収支がみえます。
キャッシュ・フロー計算書でいうフリーキャッシュ・フローですね。

経常収支に財務収支を加算減算すると、当月現預金の増減が完成します。
当月現預金増減が完成したら、期首現預金に増減を加算しましょう。
月末現預金残が見える化します。

資金繰り表の作り方!

どうやって資金繰り表をつくればいいの?
過去の分は、時間をかければ必ず作成することができます。
通帳から一つ一つ数字を拾えばいいからです。

では、将来の分はどうしたらいいのでしょうか?
わかるところから埋めていく、が正解です。
いきなり正確なものを作成しようとすると、作成に時間がかかり嫌になってしまいます。
先月を大きく変わる収支がない限り、まずは前月コピーでも問題ありません。

その後、売掛金買掛金の金額を見込み数値へ変更し、
賞与支払月/税金支払月などの各項目の金額を変更します。
最後に、財務収支を確認します。
新たな融資実行、返済開始、返済終了などを考慮し、将来の数字を変更します。
ここまでやると、それなりに実態を表した資金繰り表が完成するはずです。

とにかく手を動かして、一度つくってみることが一番大切です。

弊社ではSUMIFS関数を用いたエクセルでの管理を推奨しています。
よほどの取引数でない限り、一番手間がかからず簡単に作成できます。
ぜひ遠慮なくお問い合わせください。

まとめ

資金繰り表を作成すると、将来の資金残高が見える化します。
見える化すると、数多のメリットを享受できます。
●金融機関からの質問にすぐ答えることができる
●有事があった際、いつ資金がショートするのかがわかる
●いつまでにいくら売っていくら借入をすればいいのかがわかる
などなど、胃痛が少しおさまります。

次回はいよいよキャッシュ・フロー最終回。
キャッシュ・フローに関する総まとめです。

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