News&Blog お知らせ

クロスSWOT分析③ 弱みを克服することで、機会を逃さず危機を回避する

クロスSWOT分析③ 弱みを克服することで、機会を逃さず危機を回避する

今回もクロスSWOT分析(第3回目)についてご説明します。
前回は、【強み×機会】【強み×脅威】に取り上げたので、基本的には【強み】に着目しました。
今回は、【弱み×機会】【弱み×脅威】を取り上げるので、【弱み】に着目していきます。

わたしの経験上、【強み】について検討しているときのほうが、意見がでてきます。
今回は、【弱み】を外部環境と掛け合わせた際に、どういった行動をすべきなのか?
という点について、前回同様事例を交えながらご説明します。

前回の復習

クロスSWOT分析①のまとめ
・SWOTの洗い出しをいい加減にやらない
・内部環境と外部環境を意識してみる
・A社にとってのSWOTがB社にとってのSWOTとは限らない

クロスSWOT分析②のまとめ
・【強み×機会】では「チャンスを逃さないために何をするのか?」
・【強み×脅威】では「脅威を避けるためにどう強みを活かすのか?」

↓が過去記事のリンクです。

【弱み×機会】で検討すべきこと

【弱み×機会】で検討すべき内容は、「機会を最大化するためにどう弱みを改善するか?」です。
弱みがあることで機会を取りこぼしているのであれば、
どう弱みを改善すれば機会を手に入れることができるのかを検討します。
前回同様、今回も架空の企業である南関東モータースを例に取り上げます。

南関東モータースは、前回の記事及びSWOTを見る限り、
経営者依存、地域依存が強い会社だと考えられます。
事業が属人的であり、特定の取引先に依存しています。

機会には、輸送の多頻度化と輸出の増加とあります。
・地域依存かつ属人的な業務が、小規模輸送用車のメンテへの進出を妨げる要因になっていないか?
・なっているとすれば、他地域への進出は現実的なのか?
・特定の地域・特定の顧客へ依存していることが、中古車メンテの妨げになっていないか?
・データ活用に弱いことが、車検メンテ追客の妨げになっていないか?
など種々検討できる内容はありますね。

そう見てみると、南関東モータースが弱みを乗り越え機会を最大化するためには、
・輸送の多頻度化┃小規模輸送業者を対象としたエリア拡大を検討する
・輸出車のメンテナンスを請け負う方法を検討する
・顧客をデータ化┃みえる化し、追客を容易にし確度を高める
などを粛々と実行する必要がありそうです。

代表者依存/従業員の高齢化にも、いずれ必ず切り込まなければなりません。
今後の身の振り方をどうするのか?同時に検討する必要がありますね。

【弱み×脅威】で検討すべきこと

【弱み×脅威】が実現する日=ズバリ最悪のケースです。
最悪のケースにどう立ち向かうのか?が問われています。

南関東モータースでいうと…
・自動車保有台数が頭打ちという脅威と地域依存という弱みが掛け合わさる
⇒縮小していくのみ
・自動車が機械からコンピュータへ×社内の緊張感のなさ
⇒新技術に対応できず、業務の幅が狭まっていく
というようなケースを想定できます。

外部環境の変化により売上が減少するときは、本当に一瞬で減少することがあります。
よく挙げられる例では、フィルムカメラですね。
外部環境が変化し、カラーフィルムは10年間で市場規模が1/10へ減少しました。
10年かけて1/10ずつ減少してくれるならまだしも、市場はそんなに優しくありません。
特定の期間に年二桁%の割合で減少していきます。
Kodakは外部環境変化に飲み込まれ、その結果破綻しました。
ちょうどわたしが在米中だったので、強く印象に残っています。

そのような事態を避けるために、南関東モータースは何をすべきなのでしょうか?
「人口減少」も「自動車所有意識低下」も「所有から共有へ」も、流れに抗うことはできません。
そうであれば、そうなった世の中に馴染むよう弱みを克服する必要があります。

市場が拡大している中古車輸出に対応できる体制を整える必要があります。
同時に、地域依存もなくし、幅広い商圏を獲得していく必要もあるでしょう。
・フットワークを軽くし、若年層を採用する
・リース会社などと提携し、リース車両のメンテナンスを請け負う
・顧客データベース/車両データベースの構築を開始する
・本店以外の地域に出店することで商圏を拡大する
などなど、弱みを改善し脅威を避けるためにできることを検討します。

まとめ

全3回にわたって、クロスSWOT分析について説明しました。
繰り返しになりますが、まずはSWOTの洗い出しを丁寧に実施しましょう。
SWOTが正確でないと、その先の分析が不正確になってしまいます。

機会があれば、別途SWOTを洗い出すフレームワークをご説明します。

内部環境用
・バリューチェーン分析
・財務三表分析
・VRIO分析
など


外部環境用
・PEST分析
・ファイブフォース分析
・3C分析
・PPM分析

このなかでもPESTとバリューチェーンは大切です。
SWOTをしてみようと思った人は、簡単にチェックしてみてください。

お知らせ一覧に戻る