コロナ禍での資金調達
コロナ禍での資金調達
都内で飲食店を運営されるC社様。
創業以来順調に店舗を伸ばし、現在は4店舗を展開されています。
その企業がコロナ禍でどう融資を受けたのか…。
・日本政策金融公庫
・保証協会
・商工中金
各金融機関から合計100M超の融資を受けた事例です。
Detail
東京都内で飲食店を運営されているC社。
創業以来順調に売上を伸ばし店舗を拡大されています。
ところが、コロナ禍により営業時間を短縮せざるを得ない状況になり、売上は減少。
社長と話をするなかで、
「今後どうなるかわからないので少しでも多く資金を集めたい」
という結論になりました。
Issue 問題点
・そもそも借りる必要があるのか?
今回、率直に言って金融はかなり緩みました。
普段では調達できない条件で調達ができる環境だったことは間違いありません。
キャッシュ・ポジションを高めたいという考えは、正解です。
ただし…
「将来キャッシュ・フローの最大化」
「現在のキャッシュ・ポジションの最大化」
は似ているように見えて異なります。
そのなかで考えなければならないことは…
1.足元のC/Fは大幅に改善するが、利息負担により財務数値は痛むので本当に借りる必要があるのか?
2.延命資金であると同時に将来C/Fを産む資金であると理解しているか?
これらの覚悟を持ったうえで調達をしているのか?です。
Essence
&
Solution
本質と解決
-
1.足元のC/Fは大幅に改善するが、利息負担により財務数値は痛むので本当に借りる必要があるのか?
今回、かなり多くの企業様がコロナ関連融資のご実行を受けています。
調達環境がここまでよくなる場面は、そうそうありません。
経営者として将来キャッシュ・フローが改善することは全て実行するべきです。
他方で、必要のない借入をすると、利息負担が増えるので財務数値は痛みます。
本事例では…
「将来が見えない状況下で、一円でも多く足元のキャッシュ・ポジションを高めておきたい」
という理由で、資金調達を実施しました。
元々経常黒字、当然EBITDAは出ている企業だったこともあり、多少の利息負担には耐えることができます。 -
2.延命資金であると同時に将来C/Fを産む資金であると理解しているか?
資金調達により…
「足元のキャッシュ・ポジション」は大幅に改善されます。
他方で…
利息負担があるので、少なくとも利息以上のリターンを得ない限り、
「将来キャッシュ・フローが最大化される」とは言えません。
今回のコロナ関連融資で、「この資金で将来のキャッシュ・フローを増やすぞ」と考えられるかどうかは、本当に重要なことです。
「延命のための資金」と捉えてしまうと、返済開始後に返済できずにリスケ…となってしまいます。
一般論として、金融が緩んだタイミングの数年後にリスケ依頼が殺到します。
リーマンショック時も東日本震災時もそうでした。
今回の調達資金を単なる延命資金と捉えずに、将来キャッシュ・フローを最大化する資金にできるかどうか?が経営者に問われています。